【読書レビュー】武器としての決断思考(瀧本哲史)
どうやったら、
『自分の意見を"論理的に"相手に通すことができるのか?』
『より満足できる"選択の方法"は?』
仕事柄、これまでもいろいろな場面で考える機会が多かったのですが、非常に参考になる本に出会うことができました。
タイトルは、『武器としての決断思考』(瀧本哲史)
◆まず、この本で良かったと思った点を、2つ挙げます。
①メリット・デメリットの検証方法がわかったこと。
ある選択をするかの場合、メリット・デメリットを比較すると良い、といくこと自体は認識していましたが、
これまでは、場合によっては思いつき、あるいはネットや聞きかじりなどの情報から、引用抜粋するだけの場合もあるなど、なんとなく掴み所が無かったのです。
それぞれ、(たった)3条件でチェックすれば良い、という、‘’コンパス‘’が得ることができました。
◯メリット→①内因性、②重要性、③解決性
◯デメリット→①発生過程、②深刻性、③固有性
② ほかの人を説得するための、情報の集め方が分かったこと。
今までは、「自分の考えを保証・支持してくれるような情報」をいくつか集め、それで満足していたと思います。
(→心理学的には「確証バイアス」と言います。)
ただ、これって反論を想定できていないから、ほかの人から別ベクトルで突っ込まれると、対応できな(耐えられな)かったりするんですよね。
それゆえ、情報を集めるときに、反対意見及びその根拠も調べたり考えてみて、
それに対しての自分の反論をあらかじめシミュレーションすることが大事なのだとわかりました。
◆一方で、注意したいと思った点は、この本の「取扱い注意」な側面。
この本の内容の実践にある程度慣れてくると、相手の根拠・推論にズバズバと、切り込んで崩していくことができてしまいます。
ただ、『言い方』に気をつけないと、門が立ちますよね。
門が立たない言い方としては、例えば、心理学でいう「プリフレーム」(※)を併用していければいいのかもしれないな、と思いました。
※「あえて厳しいことをいってもいいでしょうか」などと告げておいて、相手の心に反論などを受け入れる準備をしてもらう手法
◆ 意見を述べる機会、選択の場面は、誰でもきっとあるのではないでしょうか。
そういう意味で、『一生ものの知識』✨が得られる本かと。
大学生への講義をまとめた本とのことで、語り口は平易な印象で、かつ、実例も豊富な点も素晴らしいなと思いました👍