【読書レビュー】星の王子さま(サン=テグジュペリ)
町の小さな本屋さんで、可愛らしい表紙の童話を手にとり、
ゆっくりとページをたぐっていくと、
そこには、大人になるにつれて私たちが失ったもの、そして「愛」について教えてくれる、優しくて深い世界が待っていました。
この作品では、航空士の"ぼく"が、星の王子さまと出会い、王子さまの過去の視点も交えつつ、別れまでが描かれていました。
印象に残ったシーンのうち、次の2つのシーンを引用します。
①王子さまが自分の星に咲いていたバラのお花について触れた言葉
ぼくは、あの時、なんにもわからなかったんだよ。
あの花のいうことかんか、とりあげずに、することで品定めしなけりゃあ、いけなかったんだ。
ぼくは、あの花のおかげで、いいにおいにつつまれていた。
‥ずるそうなふるまいはしているけど、根は、やさしいんだということをくみとらなけりゃいけなかったんだ。
‥だけど、ぼくは、あんまり小さかったから、あの花を愛するってことが、わからなかったんだ。
②王子さまが、地球で偶然出会ったキツネとの会話
(キツネ→王子さま)
おれの目から見ると、あんたは、まだいまじゃ、ほかの十万もの男の子と、べつに変わりない男の子なのさ。
だから、おれは、あんたがいなくたっていいんだ。
‥だけど、あんたがおれを飼い慣らすと、おれたちは、もう、おたがいにはなれちゃいられなくなるよ。
あんたは、おれにとって、この世でたったひとりのひとになるし、おれは、あんたにとって、かけがえのないものになるんだよ‥‥
これらから私が読み取ったのは、
◯表面にある言葉にとらわれずに、行動から、その内面(本心)に気づくことの大切さ。
そして、
◯愛するための儀礼(ふるまい)によって、実際の愛も築かれ、自分にとって唯一の、そして、かけがえのないパートナーになっていく
ということ。
最初から「白馬の王子さま」がいるわけではなく、愛する行為によって、ある意味で‘’そう‘’なっていくもの、なのかもしれません。
パートナー(夫や妻、彼氏または彼女)のいらっしゃる方は、きっと、読み進めていくうちに、ふっと考えさせられる場面があるかと思います。
文章は短く、語りも柔らかく、それでいて深い本なので、気になる方は手にとっては☘️